セキュリティソフトはパソコンに必須な一方で、「導入すると重くなるのではないか」という不安を感じる人も一定数います。
中でも、ノートンは最も有名なセキュリティソフトで、多機能ということもあり、「ノートンは重い」と言われることも少なくないようです。
そこで、本記事ではノートン360を実際にインストールしたパソコンで速度調査を行い、ノートン360が重いのかどうかを徹底検証します。
記事を読むと、ノートンが重いかどうかや、他のセキュリティソフトと比較した場合の重さの違いがわかります。
物価高や円安の影響で、セキュリティソフト各社の値上げが相次いでます。既に、ウイルスバスターは2024年に値上げを実施しました。各社も追随して値上げする可能性が高いので、早めの購入がおすすめです。
ノートン360は重いの?ウイルススキャン速度の実機調査結果を大公開
今回は、実際にノートン360・ウイルスバスタークラウド・Microsoft Defender(Windows Defender)の3つのセキュリティソフトをパソコン実機にインストールし、ウイルススキャンにかかる所要時間を実際に計測・比較してみました。
簡易的な「クイックスキャン」と、詳細に調査する「完全スキャン(フルスキャン)」の両方で計測したので、それぞれの結果を紹介します。
なお、ノートンとウイルスバスターについては『ノートンとウイルスバスターを徹底比較』にて、より詳しく比較評価を行っていますので、ぜひ併せて読んでみてください。
また、『セキュリティソフトの比較!おすすめ人気ランキング』ではセキュリティソフト各製品をまとめて比較しているので、こちらも参考になると思います。
ノートン360の「クイックスキャン」実施時の測定値(スキャン時間)
スキャン時間 | スキャンしたファイル数 | |
---|---|---|
ノートン360 | 約10分15秒 | 565,694 |
ウイルスバスタークラウド | 約1分37秒 | 1,471 |
Microsoft Defender (Windows Defender) | 約34秒 | 39,556 |
まず、クイックスキャンですがソフトによってクイックスキャンでどの程度詳細までの確認を行うかは異なります。
具体的には、ノートンは他社と比較して10倍以上ものファイルをスキャンしているためより時間がかかります。一方で、ウイルスバスターやMicrosoft Defenderはスキャンするファイル数が少ないため、所要時間もやや短い結果になりました。
1秒あたりにスキャンしたファイル数で比較すると、ノートンとマイクロソフトが同じくらいで、ウイルスバスターはスキャン数が少ない割に、スキャン時間は長めの結果になりました。
ノートン360の「完全スキャン」実施時の測定値(スキャン時間)
スキャン時間 | スキャンしたファイル数 | |
---|---|---|
ノートン360 | 約14分30秒 | 2,432,878 |
ウイルスバスタークラウド | 約1時間15分 | 881,093 |
Microsoft Defender (Windows Defender) | 約3時間31分 | 4,828,306 |
パソコンをより詳細にスキャンする完全スキャン(フルスキャン)においても、各社でスキャン時間やスキャンしたファイル数に大きな差がありました。
ウイルスバスターやMicrosoft Defenderが1時間以上かかっているのに対して、ノートンはわずか約15分でフルスキャンを完了しており、かつスキャンしたファイル数も約2,500,000ファイルと十分です。
また、Microsoft Defenderのフルスキャン実施時は、パソコンが高温に発熱し、終始冷却用のファンが回っていたので、パソコンへの負荷が非常に大きいように感じました。
フルスキャン(完全スキャン)については、圧倒的に所要時間が少なく、スキャンできるファイル数も多いノートンが頭ひとつ抜けている状況と言えそうです。
第三者機関の重さのテストでは、ノートンは十分に軽い評価!
実機テストのみでは、パソコンの個体によっても結果に変動があるため、第三者機関「AV-TEST」と「AV-Comparatives」による速度テスト(パフォーマンステスト)の結果も確認してみました。
主要セキュリティソフトのノートン・ウイルスバスター・マイクロソフトを取り上げていますが、いずれのテストでもノートンが最も軽いという評価を得ていることがわかります。
AV-TESTによる動作速度のテスト結果
ノートン | ウイルスバスター | マイクロソフト | |
---|---|---|---|
サイト表示 速度低下率 | 18% | 23% | 19% |
ダウンロード 速度低下率 | 0% | 1% | 0% |
アプリ起動 速度低下率 | 4% | 4% | 10% |
インストール 速度低下率 | 21% | 16% | 22% |
ファイルのコピー 速度低下率 | 2% | 1% | 1% |
※AV-TEST(ノートン、ウイルスバスター、マイクロソフト)
AV-TESTの軽さに関するテスト結果を確認すると、動作速度の影響が最も大きい「サイト表示速度」において、ノートンが最も軽いという結果が出ています。
また、そのほかの項目でも大体がノートンの方が軽いという結果になっており、ウイルスバスターやマイクロソフトの両者は同じくらいの重さであることがわかります。
AV-Comparativesによる動作速度のテスト結果
AVC スコア | PCマーク スコア | インパクト スコア | 総合 評価 | |
---|---|---|---|---|
ESET | 90 | 98.6 | 1.4 | |
カスペルスキー | 90 | 97.5 | 2.5 | |
アバスト | 85 | 98.2 | 6.8 | |
ノートン | 85 | 97.9 | 7.1 | |
トレンドマイクロ | 83 | 95.8 | 11.2 | |
マカフィー | 80 | 98.5 | 11.5 | |
マイクロソフト | 75 | 96.4 | 18.6 |
※Performance Test October 2023
AV-Comparativesのパフォーマンステストでは、AVCスコア・PCマークスコア・インパクトスコアの3つの指標で、各セキュリティソフトによる動作速度への影響を評価しています。
今回比較しているソフトの中では、やはりノートンが最も軽く、次いでウイルスバスター、最も重いのがマイクロソフトという評価です。
また、テスト結果を見ると明らかですが、各ソフトは僅差というわけではなく、比較的大きな差がついているのが実情なので、最も軽いノートンと、最も重いマイクロソフトの差はかなりあると言えるでしょう。
実際に使用して感じた、ノートン360使用時のパソコンの重さについて
今回、パソコンの実機にて実際にノートン360、ウイルスバスタークラウド、Microsoft Defenferを利用してみて感じたのは、ノートン利用時の方が明らかに軽いという感覚でした。
最近では、各セキュリティソフトの性能差は縮まってきており、そこまで速度差はないと予想していたのですが、実際に利用して比較してみると、想像以上にパソコンの動作速度に差があった印象です。
やはり、複数の第三者機関でのテストでも、ノートンが最も軽いという結果が出ていることもあり、テスト結果の裏付けは間違いなさそうだと個人的に感じました。
ノートン360の影響でパソコンが重くなるのはスキャンの実行時!
ノートンを使用していて、パソコンが特に重く感じるシチュエーションは、「ウイルススキャン実行中」と「ライブアップデート実行中」になります。
ちなみに、これらの動作時に重くなるのは、ノートンだけでなく、ほかのセキュリティソフトも同様です。それぞれの状況で、なぜ重くなるのかについて解説していきます。
ウイルススキャン実行中
ウイルススキャン自体は、そこまで大きい不可はないため、スキャン動作単体でCPUやRAMの利用容量が100%を超えてしまうことは、まずありません。
それよりも、重さの原因に直結するのが、ストレージのスキャンによるものです。ウイルススキャン実行中に、スキャン中のストレージを利用する操作をすると、パソコンの動きが特に重くなります。
特に、各システムのデータが入っているシステムストレージをスキャン中は、パソコンの動作が特に重くなる可能性が高く、使用感が悪くなる傾向があると言えるでしょう。
ライブアップデート実行中
新たなウイルスやマルウエアの情報をアップデートする「ライブアップデート」実行中も、パソコンが重くなる可能性が高いと言えるでしょう。
というのも、ライブアップデートにて情報の更新が行われるのは、先ほどと同じく、システムストレージ上になるためです。
こまめにアップデートしていれば、更新されるデータ数も少なく動作速度への影響は軽微ですが、久々にアップデートをする場合は更新データが多くなり、パソコンの動作自体が重くなる傾向があります。
ノートン360でパソコンが重くなる原因
ノートン360を利用することで、パソコンが重くなる原因としてはどのようなものがあるのでしょうか。具体的な理由とともに、原因を紹介します。
ノートンが最新版にアップデートされていない
ノートンがアップデートされていないと、最新の情報が反映されないため、ウイルススキャンやシステムスキャンが順調に進まないことがあります。
アップデートでは、最新のウイルスやマルウエア情報を反映するのはもちろんですが、パソコンや各ソフトの最新システムデータとの互換性を更新する役割もあるので、常に最新版へアップデートしておくことをおすすめします。
利用中のパソコンが古く、スペックが低い
一般的に、新品のパソコンが快適に利用できる期間の目安は5〜7年程度と言われています。そして、これはパソコンが最新のスペックの場合です。
中古のパソコンや、新品でも型落ちなど少し古いCPUを搭載している場合は、快適に使える期間がさらに短くなるので、5〜7年程度同じパソコンを使い続けていて、動作が重い場合は、買い替えも検討してみてもいいかもしれません。
ノートン360以外にもセキュリティソフトをインストールしている
ノートンに限らず、ひとつのパソコンに複数のセキュリティソフトをインストールしていると、お互いに干渉しあってしまい、パソコンの性能が十分に発揮できないことがあります。
そのため、セキュリティソフトを新たにインストールする際は、今まで利用していたセキュリティソフトは必ずアンインストールするようにしましょう!
そのような背景もあり、今回の実機テストでも、必ず他のセキュリティソフトはアンインストールした上で、有効になっているセキュリティソフトはひとつだけの状態で実機テストを行いました。
ノートン360の使用中にパソコンが重いと感じた時の対処法
ノートン360の使用中にパソコンが重くなるのを防ぐために、いくつかパソコンへの負荷を軽くするコツがあるので紹介します。
ウイルススキャン実施のタイミングを調整する
ウイルススキャンは、完全スキャンともなると1時間以上もかかるケースも多いです。そこでお勧めなのが、就寝前にウイルススキャンを実施する方法です。
スキャン完了後に電源を自動でオフにする指示も出せるので、就寝前にスキャンをするのが最も影響が少なく効率的でしょう。
なお、バックグラウンドスキャンに関しては、パソコンを操作しているときはスキャンが一時停止され、使用停止中にバックグラウンドでスキャン動作が実行されるので、重くなる心配は一切ありません。
ライブアップデート実施のタイミングを調整する
ハッカーや詐欺師は、毎日のように新しいウイルスやマルウエアを開発し、情報の搾取を狙っています。
そのため、最新のウイルスにも対応できるように、セキュリティソフトのライブアップデートは頻繁に行われるのですが、ライブアップデート中は動作が重くなりやすいです。
パソコン使用中にライブアップデートが実行されると、動作が重くなる可能性があるので、毎日パソコンで作業をする前に、予めライブアップデートを実施してから作業を開始すると、作業中にパソコンが重くなるのを防げるのでおすすめです。
WindowsやMacなどのOSアップデートのタイミングを調整する
ウイルススキャンでは、Windowsや各システムのアップデートファイルもスキャンされます。
そのため、あらかじめアップデートを実施しておけば、スキャンするファイルやデータが減るので、できるタイミングで小まめにアップデートを行っておくのがおすすめです。
Macの場合は、タイムマシーンはスキャン対象外フォルダに設定する
Macbookでは、タイムマシーンに過去のバックアップデータを保管できますが、日々バックアップを取得するため、タイムマシーンのデータ容量は膨大になりやすく、パソコンへの負荷も大きいです。
そのため、タイムマシーンについてはスキャン対象外に設定し、たまにタイムマシーンフォルダの手動スキャンを行うという形を取ることで、パソコンへの負荷を大きく軽減することができます。
ノートンはMacにもおすすめ!Mac版で使える機能が多く、動作も軽い!
ノートン360 | ウイルスバスター | マイクロソフト | |
---|---|---|---|
スパイウェア対策 | ◯ | ◯ | × |
ランサムウェア対策 | ◯ | × | × |
ファイアウォール | ◯ | × | × |
詐欺メール対策 | ◯ | × | × |
保護者機能 | × | 一部機能のみ | × |
ネットバンク保護 | ◯ | × | × |
パスワード管理 | ◯ | × | × |
VPN機能 | ◯ | × | × |
盗難・紛失対策 | 一部機能のみ | × | × |
また、ノートン360はMacでも利用可能な機能が多く、かつ動作速度も軽いことで人気があります。
一方で、ウイルスバスターはMac版では機能の制限が多く、十分にウイルス対策をすることができませんし、マイクロソフトについてはMacではそもそもに使用することができません。
数あるセキュリティソフトの中でも、ノートンはMacと抜群に相性がいいので、Macを利用されている方は前向きに検討してみてください。詳細は、『ノートン360はMacに必要?評判・口コミ・機能を徹底解説』にて解説しています。
ノートン360が重いという認識は誤り!実は業界最高水準の軽さ!
今回、ノートン360・ウイルスバスタークラウド・Microsoft Defenderの動作速度への影響を、パソコンの実機で比較してみて、ノートンは最も軽いセキュリティソフトということがわかりました。
ノートンは機能が豊富なので重いのではないかと言われることもありますが、実際には業界でも軽さは最高水準です。
むしろ、軽さを重視する人にこそ、特におすすめのセキュリティソフトなので、パソコンの動きが遅くなるのは避けたいという人は、ノートンをおすすめします。
ノートン360の詳細については『ノートン360の評判・口コミ』にて詳しく紹介しています。ぜひ、一緒に読んでみてください。
また、『ノートンとウイルスバスターを徹底比較』では、人気セキュリティソフトの両者を項目別に詳しく比較しています。どっちにしようか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
ノートン360のキャンペーン情報
ノートンでは現在キャンペーンは行なっていませんが、物価高騰中の昨今でも、以前の販売価格からの値上げを行なっておりません。
一方で、競合他社のウイルスバスターは2024年7月に大幅値上げを行なっています。
最近は値上げラッシュによってセキュリティソフトも値上げ傾向なので、ノートンもいつ値上げしてもおかしくありません!
後で後悔することがないように、値上げ前の今のうちにノートン公式ストアにて購入を済ませておくことを強くおすすめします!
物価上昇に伴い、セキュリティソフトの値上げが相次いでいます。ウイルスバスターやZEROスーパーセキュリティは既に2024年に大幅値上げを行いました。競合他社も、今後値上げしていくことが予想されるので、早めのご購入がおすすめです。
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